レシートと京都雑感

僕は「事業開発プロデューサー」という肩書きで、
新しい事業の開発・再生をライフワークにしているのですが、
だからといって何でも薄く広く手がけるという意味ではなくて
やっぱり「想い入れ」とか「時間」とか「人(ネットワーク)」とかが集積して
「濃くなってくる」ところが面白くなってきます。


最近の僕にとっては、ひとつは「領収書のデジタル化」であって
とにかく購買情報を、業者が握りこまずに消費者にフィードバックするんだあ〜って
そういうことを言っては、企画を次々に作って社内外あちこちに持ち込んでいます。

まずは医療費控除がもっと簡単にできるようにしたい。
介護用のオムツとか、子供が熱を出したときの保冷財とか、ドラッグストアで買った風邪薬とか。
そういうレシートを積み上げると、2人以上世帯では年間2〜3万円くらいになるんです。
それを除いた医療費がすでに年間10万円に達しているから、ちゃんと申告すれば4千円〜6千円は
還付がもどってくる。

でも細々としたレシートをためて、転記していくってとても大変。
それにどの商品が該当するかなんて、わかりにくいですよね。

だからデジタル化が大事なんです。昨年は僕が立ち上げ(再生)に参加した「散財.com」を
ヘルスケア版として改修し、
領収書情報をデジタル化して送ってくれる企業のご協力もいただいて、
短期間でしたが実験サイトをつくりました

また絶対これ、今度はもっとちゃんとやってみたいと思っています。


さて、そんな取り組みをしていると、これが、結構手ごたえが出てきている。
時々、相手の琴線にふれることもある。
プレゼンの途中で僕自身の目頭が熱くなってくることもある。


だから、きっとこのテーマはモノになります。そう遠くないと思っています。




もうひとつは、京都です。


尊敬する今井賢一先生にお会いできるのは、何より嬉しいし、
一緒に仕事をする人たちが、本当に魅力的なんですよね。


それもあって、ここのところ毎週、京都に行っています。
来週なんか2回、1回は日帰りだけど
もう一回は泊りがけで計3日間行って来ます。


京都はちょうど祇園祭の真っ最中ですが、
残念ながらこれまでも祇園祭時代祭等々、その日に出張していても
見にいけたことがありません。
いつも予定をびっちり入れて京都市内をとびまわっているので、
始発で行って終電で帰ってくるまで、ずっと動きっぱなしです。
そうだ、いちど8/16の物凄く熱い夜に、偶然、五山の送り火をみることができました


泊りがけで行くときは、できるだけ木曜日の夜にしています。
定宿にしているホテルで木曜の夜だけオープンになる、
若い人たちが集まる「おかばあ
というバーに行くのが楽しみです。

とっても気持ちよく飲めるバーです。

さて、そこで知り合った若者から、先日

「明日”詩の会”に来ませんか?」って誘われました。
なんでも一人ひとつづつ、
詩とか絵とか写真とか芸術っぽいものとツマミを持って集まって
みんなでそれらを愛でながら飲む会があるそうです。

東京で同じ話があったら、なんか怪しい宗教団体の勧誘みたいなんだけど、
京都の御所隣のバーでそんなこといわれると、なんかいいなあ!って気持ちになりました。
かつて数百年前に、茶器や掛け軸を持って集まった人たちのように
詩や絵を持ってあつまって語り合うなんて、文化というかロハスというか、素敵じゃあないですか。

ぜひ行きたいと思ったのですが、残念ながら翌日は時間がどうしても合わなかった。

さらにショックだったのは、
詩を書こうと思っても、
最近ビジネスモデルにしか使っていない僕の右脳が、
詩を生み出すことができなかったこと。
「ああ、文学・芸術のセンスがこの20数年で抜け落ちてしまっているんだ」って
シミジミ感じてショックをうけました。

まあ、そんな若者たちとの交流も楽しみながら、京都で仕事をしております。