アゴラ・シンポジウムに参加して(2)

アゴラ・シンポジウムから一週間。

わすれないうちに考えたことを書き連ねると・・・


1.「起業」の扱いについての違和感を感じる自分

  シンポジウムの場では池田さんと参加者から、「起業」への期待が
  熱く語られていたのだけど、それを醒めた目でみてしまう自分がいることを発見。


  最近思うのです。日本ではベンチャー企業もVCも、
  デスバレーが深く長くなることに耐えられないんじゃないかって。

  
  だからどうしても、ベンチャーはすぐ売上を上げようとするし、
  VCはハンズオンなんかポーズだけで、
  定期預金のようにお金がもどってくることを気にする。
  こんな環境では、技術系ベンチャーはもちろん、
  グローバルに伍してやっていこうというベンチャーは生まれにくい。
  黒字化にこだわるほど、ほとんどが「健全な」零細企業になっちゃう。

  だから、日本では「起業」は、ベンチャーのつもりの会社でも、
  コンサルタントの一人事務所やラーメン屋の独立とさして変わりはない。
  要は本来は自己資金ではじめるべき、「誰でもできる」行為なんです。

  この「零細企業への道」をたどるか、
  グローバルなベンチャー起業へと成長するかの違いは、なんだろう?


  なんとなく「デスバレーが深さと長さ」に経営者も投資家も耐えられる
  企業かどうかなんだろうな〜って思うのです。

  でも、そういう視点で話をしていたのは、西和彦さんだけだったかも
  しれない。

  そうすると、今回のアゴラ・シンポジウムからはじまるらしい「企業塾」は、
  残念ながらこのままだと零細企業を大量生産しちゃいそうだな。

  かつてのビットバレーより年齢層が上がっている分、
  「オジサンビットバレー
  という感じになってしまうのかな・・・と思ったのでした。
  


2.「世代間格差」へのソリューションがなかったぞ!

  今回のアゴラシンポジウムでは、不況脱出のために「起業」とともに
  「雇用改革」(といったらいいのかな?)に強く触れようとしたらしいの
  ですが、池田さんもパネリストの城さんも、なんかキレがよくなかったです。

  1万円払って参加する人たちが聴衆だったからかな。

  僕は、「素人の乱」とかを陰ながら応援していて
  梅田さんのいう「社会の力と自分の力」の「自分の力」を若い人たち
  増幅させる機会を、残りの僕の人生をつかってつくっていきたいな〜と
  思っています。そういう意味でソリューションをいつも探索しているのだけど
  なあんだっていう感じではありました。