No.3 原稿用紙と母さんとのバトル
息子からはじめての手紙が来た。
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お父さん、お元気ですか。今ぼくは、5月23日の午後10時25分にこの手紙を書いています。本当は午後9時に書く予定だったのですが1時間25分もおくれてしまいました。まずは、そのおくれたわけを言いましょう。母とも計画をたてたのですが。漢字で母に「初めての字は一行ずつかけ。」といわれたのでかいてみましたが。全然こうかがありませんでした。それで40分もそんしてしまいました。そして算数をやりました。そのとき、時計は、9時15分でした。ですから手紙を書こうとしたら母が、「社会のサブノートを2まいやって。」と言ったのてぼくは、「お父さんの手紙を書くよと言ったら。」母が「お父さんのは宿題でもなんでもないんだから後でやりなさい。」と言ったのでこんな時間になってしまいました。ですがいいことが一つありました。近くのコンビにでガチャポンをやったたことです。一回三〇〇円とかなり高いのですが。プラモデルみたいに作るのでけっこうたのしいしです。これが今日あったことです。もっとおもしろいことが一つあるのですがそれはまたこんどのきかいにしましょう。では、おやすみなさい。
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手紙をもらえたことはすごく嬉しい!
でもなるほど妻の言うとおり、息子の国語力は・・・うーん・・・
とにかく父親としてしっかり付き合うとしよう。
ということで返した返事が以下のとおり
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優太へ
手紙をありがとう。とても嬉しかったよ。手紙の中で「お父さん」と呼ばれたのも嬉しい。そうだね、優太も五年生だから、私達のことを「お父さん」「お母さん」と呼んでもらおうか。
手紙に原稿用紙を使ったのも良いアイデアだね。せっかくだから、原稿用紙の使い方、十個のルールを確認しておいてくれ。わかりやすい資料をつけて、優太の手紙で間違えていたルールにマーカーをひいておいた。ルールはたった十個、間違えた四個を注意すれば、今後は原稿用紙を使うことがとても楽になるはず。囲碁と同じで、何字書いたかがすぐわかるからね。それに、この十個のルールは、国語のテストで二十字とか三十字以内でマスを埋める記述問題でも思い出すといい。
手紙に書いてあった、母さんとのバトルの様子は目に浮かぶようだ。でも、母さんの言うことにイチイチ反発していると時間がもったいないから、三個のうち二個、慣れたら五個のうち四個は、だまって言うことをききなさい。反発をするよりも、一つ一つの作業(勉強)のスピードをあげる訓練をした方が、優太は自由な時間をゲットできるはずだよ。
今度の日曜日は、仕事で宮崎に出張して、おばあちゃんに会ってきます。病気に負けず頑張っているおばあちゃんに、時々電話してあげてね。
二〇一〇年五月二十六日 京都自宅にて
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