息子が少年野球をはじめて

小学生の息子が今年の1月末から少年野球を始めました。



実はその1年前から彼は、「野球がやりたい!」と言い出していたけれども、僕も妻も強く反対していたのです。というのも練習が土日祝日と水曜日の朝練。せっかく5歳から続けていた棋院の囲碁教室にも行けなくなってしまうし、そもそも家族で過ごす週末がなくなってしまう。

それだけではなくて、子供だけを送り込めばいいというわけではないらしい。親の協力が必須ということもあって、母親は「お当番」。父親はコーチや車を出したり、もろもろ、かなり拘束されてしまう。それが理由でやめてしまった親子の話を聞いていて、妻はすっかり野球には批判的になってしまったのです。


ただ、それでもどうしても野球をしたいと息子がねばるので、僕は折れてしまいました。
妻は今でも大反対。「それならすべてアナタの負担でやって!」と言い放たれて、最近夫婦仲が悪いこともあって(苦笑)、こちらも売り言葉に買い言葉で、「じゃあやってやろうじゃあないか!」ということで、「協力できるのは父親だけですが、半分でもいいですか?」とクラブに打診しました。どうも半分というわけにはいかないらしく、子供と一緒に参加する「コーチ」と輪番制の「お当番」を兼ね、息子と自分の毎回の弁当などをすべて用意してサポートしております。なんだかんだ4ヶ月。なんとか時々バテながらも続いております。


もちろんグラブからユニフォームまで一式は、僕の分も含めて小遣いから負担することに。

実際に買いに行って驚いたのは、神保町のスポーツ店の中で、野球道具を扱っているのはどうもMIZUNO1店舗だけみたい。少子化の時代とはいえ、ここまで凋落したのかと感慨に浸りました。一方で、いかに自分が野球を知らないかも実感することに。たまたまなれない店員だったらしく、もっと慣れない客である僕らとのコミュニケーションの結果、リトル用(少年硬式)を一式買ってしまいました。グラブもバットも「すっごく高いなあ〜!」と感心しながら。帰宅して参加する野球クラブのHPを見たら「軟式」だって。


「おいおい息子よ、おまえは軟式と硬式の区別もつかねえのか!」


ってこぼしたら、


「パパだってわかんなかったじゃあないか、僕が学校の校庭開放で遊んでいるハンドベースボールからみれば、どっちのボールだって堅いんだ!」

って反論されて、まあ確かにそうだなと。MIZUNOに電話したら、むこうが「クラブの名前まで聞いていながら、何を取り違えてしまったのかすみません!」とえらく恐縮して、全部交換してくれました。丁寧な応対の上、金額も半分くらいになって、こちらのほうが恐縮するくらいでありました。神保町のエスポートミズノの皆さん、今後ともどうぞよろしくお願いしますです。はい。


おかげでリトルと少年野球の区別もつくようになりまして、野球のユニフォームの着方、特にあのよくわからないストッキングの履き方も自らおぼえることになりました。40歳を超えると、行動半径も限られてくるせいか、だいたい世の中で触れる情報で新出のものはなくなってきているのだけど、野球に関してはいかに自分が何も知らなかったかを日々知ることに。まあコーチとはいっても、ユニフォームを着た父親が子供たちのそばをうろうろしているだけなのですが、週末の貴重な時間を息子への奉仕でつぶす以上、やるからにはなんらか前向きな要素を見つけようと思いながら関わっております。


なにしろ息子が、下手くそながらも楽しそうなので。2軍の補欠で、下級生でももっと上手な子供もいるのだけれど、それでもメゲないで、一生懸命にやっている。



しばらくして気づいたのは、


「そうか、少年野球とは“習い事”ではないんだ!」


ということ。とにかく、練習の時間が空けば、グラウンドがとれればいつでもやるし、時間も目いっぱいつかう。だから時間も頻繁に変更になったり延長したりします。雨が降ると休みにならざるをえないから、朝の集合時間の20〜30分前までいつもHPで今日あるかどうかを確認しないといけない。はじめはそれがとても迷惑で、勘弁してくれという感じでした。息子が入部する前にやめちゃった親子と同じことを僕も思ったのでありました。

しかし、しばらくコーチとして見ていたら子供たちがグングン上手になってきた。はじめはちょうど6年生や塾で辞めた部員と新しい部員との入れ替えの時期だったこともあってか、まあドングリの背比べで、試合もあっちでエラー、こっちで暴投って感じで、間延びしていたのだけど、連休を過ぎたあたりからそれなりにサマになってきた。



「ああそうか!練習時間と上達は比例するんだ。」



だから、とにかく練習時間を意識的に確保しようとしているんだ。ヒマさえあれば、場所さえ空けばいつでも練習をしよう、試合をしようと監督や親は一生懸命サポートしているんだ・・・と理解したのでありました。基本は親も子も、野球が好きで、少しでも上手になりたいと思っている人たちのコミュニティなんだと。で、実際におそらく地域の少年野球クラブの中で一番練習をしているこのクラブは、毎年それなりに強いのです。試合でも最近はなかなかの勝率をキープしている。

勝てば面白い。応援しているだけでも面白いけど、ちょっとでも試合に出してもらえればなおさら。


ということで、週末や祝日がほぼつぶれてしまうことはとても痛いのですが、そのあたりはマイペースで対応しつつも、息子とクラブを引き続き応援しようと思っております。



それにしても、

「練習時間と上達は比例する」

っていう当たり前のことに気づいて感心する僕って、なんなんだろう?